トランプ大統領対中追加関税第3弾発動懸念される世界的な原油需給への影響

摘要

米中貿易戦争の攻防がエスカレートし、世界経済への影響が深刻化している。米 通商代表部（USTR）は、9月24日からスーパー301条に基づき知的財産権の窃 取と技術移転の強制への対抗措置として、中国からの輸入品2，000億ドル（22兆円） 相当を第3弾の制裁関税を発動した。第3弾の対中追加関税発動では、5，745品 目に10％の関税を上乗せし、年内に米中両政府が問題を解決できなければ制裁関 税は2019年から25％に引き上げるものとなっている。これを受けて、中国は、9 月18日に報復関税を9月24日に発動することを決めた。米国は、発動済みの 500億ドル分と、24日発動の5，745品目と合わせ、対中輸入額の半分に追加関税 をかける。中国製品への関税引き上げは、米国の中間選挙に向けて、トランプ支持 層へのジェスチャーの要素が強い。しかし、追加関税の発動が世界経済に悪影響を 及ぼすことになりそうだ。