外資系元売の業績と新戦略進む構造変革、下流の収益性追求

摘要

昭和シェル石油と東燃ゼネラル石油の外資系元売2社は2004年度決算でいずれも過去最高の利益を確保した。 昭和シェル石油は1985年1月に当時のシェル石油と昭和石油が合併·発足して以来、東燃ゼネラル石油は2000年に東燃とゼネラル石油の合併により誕生して以来の好業績である。 いずれも活動の主力を日本国内の下流部門事業に置き、最近好調の上流部門収益には頼っていない。 2004年度の業績向上は原油価格高騰下で高付加価値の追求と効率化の徹底によって販売マージンを着実に確保できたことを物語るものといえよう。 両社とも構造変革が進展中であり、これからの展開が注目される。 昭和シェル石油は新株主にサウジアラムコが加わったので、国内市場で収益性を確保する必要性にますます迫られよう。 東燃ゼネラル石油の親会社エクソンモービル有限会社は2002年のエッソ石油とモービル石油の合併によって発生した営業権の差額償却を2006年度にすべて完了する。 グループの統合に伴う一連の国内再編処理をすべて終え、合併効果の追求に本格的に動き出す公算が大きい。外資系元売2社の戦略展開はこれからの国内市場に大きな影響を及ぼしそうだ。