長周期振動タンク火災防止へ

摘要

石油業界の災害対策に一石を投じる動きが省庁間の防災会議で進んでいる。 内閣府が事務局となっている中央防災会議では、昨年9月に発生した十勝沖地震による出光興産·北海道製油所のタンク火災以降、今後起こりうる確率の高い東海地震、東南海地震、南海地震で同様なタンク火災が多発し災害の拡大するのを危惧しているからである。 総務省消防庁の審議会でも議論を呼び、法改正の動きへと発展している。 消防庁は、自治体消防として発足した1948年から55年が経過したのを機に、審議会を開催した。 とくに昨年は、宮城県沖地震や十勝沖地震により大規模災害への緊急対応体制を強化する必要性が強まったからである。 消防審議会は、昨年から今年2月にかけて3回開き、今年2月には中間とりまとめを発表する予定である。 今通常国会に上程して法改正、政令、省令の改正に発展する見込みである。 1994年の消防法改正では1977年以前に設置された旧法タンクは2021年までに新法基準に適合するよう義務づけられた。しかし、今回のとりまとめでは、旧法タンクの新基準義務付け時期が繰り上げられ、長周期振動への対応が求められる可能性が高い。石油業界としても製油所のタンクを中心に設備の改修が必要となりそうだ。