橋梁用制振装置（キールダンパー）

摘要

近年，橋梁の合理化・低コスト化を目的とした少数主桁橋梁が増加している．少数主桁橋梁は，Ⅰ桁で構成された開断面桁であり，横構や対傾構が省略されていることから, 従来の橋梁形式に比べてねじれ剛性が低く，減衰についても従来の橋梁に比べて低下する傾向にあると言われている．そこで，筆者らは，簡便な装置で高い減衰付加性能を発揮する制振装置（キールダンパー）を提案した．このキールダンパーは桁の端部に取り付ける構造であり，過去の研究例からも桁の端部にダンパーを付加できれば，橋梁に非常に効果的に減衰を付加できることが報告されている．本キールダンパーは，少数主桁橋梁の曲げ変形とねじり変形の双方に対して，減衰効果を付加することを特長とする．