免疫チェックポイント阻害剤の 先にあるものは?

摘要

近年，進行性尿路上皮がん治療の進歩には目を見張るものがある.膀胱癌診療ガイドライン2015年版において一次全身治療として標準治療であったGC(ゲムシタビン:以下GEM，シスプラチン:以下CDDP)を中心とした抗がん化学療法は同ガイドライン2019年版においてもゆるぎない地位を占めているものの,二次全身治療として免疫チェックポイント阻害剤(以下ICI)が標準治療となったしかしKEYNOTE 045試験の奏効率は21.1% (CR : 9.3%)と満足のいくものとはいえず，免疫関連有害事象(irAE)にも対応を迫られるようになった.それではICI治療無効例や奏効後の増悪例に対する次の一手はどうであろうか.本稿では，近い将来本邦の日常診療で使用されることが期待できる薬剤について概説する.