生物多様性条約と生薬

摘要

新年あけましておめでとうございます。皆様にとって本 年が平和で良い年になりますことをお祈り申し上げます。生薬に関わる方々にとつては，領土問題をめぐって中国との間で緊張が高まっていることが大きな懸念材 料だと思いますが，もう一つ大きな問題になりそうな動きがあります。皆さんは，生物多様性条約（CBD:Convention on Biological Diversity)をこ存知でしょつか。 この条約は，1)生物の多様性の保全，2)生物多様性 の構成要素の持続可能な利用，3)遺伝資源の利用から 生ずる利益の公正で衡平な配分を目的として1993年に 発効したものです。この条約は生物の多様性を保全し ながら生物資源を持続可能な形で利用して行くために 結ばれた条約ですが，目的の3)からも分かるように， 経済的な側面の強い条約でもあります。