未利用水産資源を利用する新漁業システムモデルと新型漁船（工船）の開発－平成16年～平成18年3ヵ年の研究成果

摘要

我が国に近い東北·北海道東方公海域にはカタクチイワシ、サンマなどの未利用水産資源が膨大に存在している。 本開発は、これらの資源を対象に高鮮度船上加工によるミール、魚油（現在、マイワシ不漁により払底状態であり、本開発ではEPA等の医薬品原料も視野に入れる）、落し身（ミンチ）、高鮮度冷凍魚などの製品化を踏まえた加工技術や諸製品の保蔵·流通方法を検討し、その結果を基盤として省人省力化漁船を設計した。 併せて、上記の加工システムに対応する高効率表中層トロール漁具等および漁獲物を高鮮度状態で船内に取り込む技術を含む漁撈システムを開発し、加工·保蔵設備と組み合わせた我が国特有の新しい漁船システムモデルの構築を目的とした。 モデル構築後、周年操業に基づいた採算性シミュレーションを行い、設計·周年操業計画等の要因変更に伴う検討を重ね、実用性が高く、民間が受け入れ易いシステムモデルとして提示した。