労務管理の視点から考える，医療職の働き方改革:医師”だけ働き方改革は特別扱い…？労務管理の観点で思い見る

摘要

すでに始まっている働き方改革による時間外労働の上限規制ですが、医師だけはその開始時期と制限内容が決まっていません。現在も「医師の働き方改革の推進に関する検討会」で検討されています。これはもともと「医師の働き方改革に関する検討会」で検討され、2019年3月に出された「医師の時間外労働規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等についてとりまとめた報告書」の報告内容を受けて続いているものです。この報告書につい ては私なりに、①「医師の診療業務の特殊性」が「昼夜を問わず患者への対応を求められ、他職種と比較しても抜きん出た長時間労働の実態」を生んでいる。また、その長時間労働は、「医師の自己犠牲的な長時間労働により支えられており危機的な状況」となっている②医師の「健康への影響や過労死の懸念」「仕事と生活の調和への関心の高まり」「女性医師割合の上昇等」に対応する働き方を進めていく必要がある③医師の長時間労働の要因には、「個々の医療機関における業務?組織のマネジメントの課題」「医師の需給や偏在」「医師の養成のあり方」「地域医療提供体制における機能分化?連携が不十分な地域の存在」「国民の医療のかかり方等」もある