非巡回型ノイズリデューサの性能評価

摘要

4K／8Kはフルハイビジョンの4倍／16倍の解像度を有するが，画素あたりの光エネルギーは解像度に反比例して減少する．この結果，相対的に映像中のノイズが増大し，4K／8Kは原理的にハイビジョンよりもノイズが多い．映像中のノイズを低減する手法としてノイズリデューサ（NR）が知られている．NRは記録済みの映像に信号処理を施しノイズを低減する技術である．しかし，ノイズ低減処理によって映像の高周波成分が低下するので，映像の解像度も低下する．既存の巡回型NRは，動き領域のボケや尾引を招くため，大きな画質改善は望めなかった．著者らは，既存のNRの欠点を改善するために非巡回型のNRを提案した．しかし，提案するNRと既存のNRとの性能比較は行われていない．本稿では，従来型NRと提案するNRの処理結果に関して行った主観評価結果について報告する．評価結果として提案手法は従来手法よりも解像度を保持し，かつ効果的にノイズを低減可能であることが定量的に得られた．