無線LANにおける無線LANにおける品質マップを用いたユーザ誘導実験の設計

摘要

無線ネットワークにおいて，ネットワークが適切な情報をユーザに与えて誘導することにより，ユーザ効用を保ちつつネットワーク資源の効率的な配分が可能となる．ユーザ誘導には，どのような情報をどのような形でユーザに提示するかが重要である．そこで，無線LANの品質をヒートマップで可視化した「品質マップ」を作成し，これを情報としてユーザに与えることで，ユーザの自発的な行動変容を促すメカニズムを検討する．本稿では，ユーザ誘導に品質の「見える化」を用いることとし，どの程度の距離の移動を誘導できるかを主観評価実験により明らかにする．予備実験では，学内の無線LAN品質マップを作成し，通信品質の差を動画で疑似体験させ通信品質に対するユーザ体感品質（Quality of Experience：QoE）を測定し，移動しても良いと感じる距離との体感品質の関係を調査した．