ネットワークプロセッサにおけるトラフィックに基づいたフローキャッシュポート分割手法の提案

摘要

パケットをフローという単位で分類し，フロー毎にヘッダ書き換え内容の等しくなる処理結果をキャッシュすることでパケット処理を高速化する，フローキャッシュと呼ばれる機構が提案されている．フローキャッシュはプロセッサの汎用キャッシュと異なり，タグとデータのサイズが大きいため，メモリサイズを考慮するとエントリ数を極力少なくしなければならない．そこで本報告では，アプリケーショングループ毎に別個のキャッシュを割り当て，最適な制御を行うことでキャッシュミスを削減するポート分割キャッシュの提案を行い評価した．ポート分割キャッシュを用いることで従来のキャッシュに対し2.7％程度のキャッシュミスを改善可能であり，また，従来よりもキャッシュアルゴリズムを効果的に適用可能であることを示した．