帰納論理プログラミングに基づく文法獲得に関する一考察 : 言語バイアスを利用する高速化手法の評価

摘要

文法獲得の手法としてはさまざまなものが提案されているが,そのうちもっとも有望な手法の1つが帰納論理プログラミングである.しかしながら帰納論理プログラミングによる文法獲得においては,帰納推論計算部分での計算量が一般には厖大であるという問題点がある.本稿ではこのような見地から,文法規則が形式的に差分リスト形式であるという言語バイアス情報を利用することにより探索空間を減少させるプログラムを部分的ながら示すとともに,これを用いることにより,言語バイアス情報を利用することによって,文法獲得の処理効率がどの程度改善されるかの評価実験?検討を行った結果について報告する.