地球環境対応型フッ素系洗浄剤：「ゼオローラHG10」によるロジン系フラックスの洗浄

摘要

工業用洗浄溶剤が該当する環境関連の法規制としては、オゾン層保護法、地球温暖化対策推進法、化学物質排出把握管理促進法（PRTR法）、有機溶剤中毒予防規則、大気汚染防止法、水質汚濁防止法等が定められている。更に、新たな課題として大気汚染防止法の一部改正による、揮発性有機化合物の排出抑制（VOC規制）が始まっている。 近年、このように化学物質に関する環境関連の法規制は着実に整備されており、工業洗浄の現場においては有害性の高い化学物質の削減に取り組まれている。 また、「ISO14000認証取得」や「グリーン調達」への積極的な取り組み、大手企業を中心とした環境報告書やCSRレポートの発行、更には「CO{sub}2排出削減」や「ゼロエミッション」など自主的な環境保護活動もいまや普遍化しつつある。このような状況の中、日本ゼオンが開発したフッ素系洗浄剤「ゼオローラH」は、国内の法規制に一切該当しない環境特性に優れた溶剤として市場に認知され、優先的削減対象である塩素系溶剤をはじめ、オゾン層破壊能を有するHCFC類や地球温暖化効果の高いPFC、HFC類、更には毒性が懸念される臭素系等の代替溶剤として採用を伸ばしてきている。本稿では、この「ゼオローラH」の優れた環境特性を維持したまま、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤と同等以上の洗浄力を兼ね備えた画期的洗浄剤「ゼオローラHG10」と、それを用いた洗浄システムについて紹介する。