最急降下法を用いた適応的な可変分散補償器制御の補償分散範囲と補償に要する時間の検討

摘要

本論文では，光ダイナミックルーティングネットワークの実現に向けて，我々の提案する高速·低コストの可変分散補償辞の適応的フィードバック制御技術について，実験とシミュレーションにより，性能評価と検討を行った結果を報告する．提案方式では，まず，時間領域の受信波形とあらかじめ取得しておいた参照波形の差をエラーとして求める．そして，このエラーが小さくなるように最急降下法を用いて，可変分散補償器を繰り返し制御する．伝送実験とシミュレーションの結果より，我々は，本方式を用いることにより，高速に広範囲の分散を適応的に補償できることを示すことに成功した．木方式の補償範囲は，10[Gb／s]の伝送において±6000[ps／nm]である．また，補償に必要な時間は，1000[ps／nm]以内の分散の変化に対して，およそト2秒である．この方式は，高速のダイナミックルーティングネットワークにおける適応的な分散補償に適用が可能である．