Q 帯

摘要

ポルフィリン·フタロシアニン等，18π電子系を持つ環状化合物の紫外可視吸収スペクトルにおいて，特徴的に見られるπ->π＊遷移に由来する2つの吸収帯のうち，より長波長側に観測される吸収帯。なお，短波長側はSoret帯と呼ばれる。通常，500-700nm程度の領域に見られ，特にフタロシアニンにおいては非常に大きなモル吸光係数（10~5M~(-1)cm~(-1)を超えるものも少なくない）を持つことから，Q帯の性質は分子が持つ鮮やかな色を決める主要因といえる。