磁気を用いた鋼板の機械的特性の非破壊取得技術－スポット溶接検査装置,シーム位置検出装置,焼入れ判別装置への応用

摘要

一般的な渦流探傷装置は交流（正弦波）方式を用いる。それに対し，当社の磁気式非破壊検査装置では直流遮断方式（当社オリジナル技術：特許取得済み）を用いることにより，高性能化，小型化を達成した。本直流遮断方式の利点として3点が挙げられる。1つは透磁率の大小を取得し鋼鉄の組織変化を検知できること。1つは取得情報量の増加により，装置の小型化が可能（約11mm内に16個のアレイセンサを配備）であること。1つは媒体の塗布が不要で，既存の工程で使用可能であること（超音波式ではジェルの塗布，拭取り工程が必要）。本稿では，当該非破壊装置の理論と応用について紹介する。