アルミニウム合金摩擦攪拌接合継手のフェイズドアレイ超音波探傷試験

摘要

FSWは溶融現象が見当たらない接合であることから，その不完全部の発生メカニズムや形態が，アーク溶接等の溶融溶接とは異なることが知られている。 また，本施工法に特徴的な，ルート部の微少な不完全部が存在した場合，従来の非破壊試験方法ではその探傷が難しいとの報告もある。一方，近年，超音波による高解像度の精密非破壊検査として，PAUT方法が開発され，探傷能力の向上が図られている。そこで，本方法の適用性を検討したところ，従来では探傷出来なかった不完全部についても，その可能性を見出せたが，実用化への課題も顕示された。 本報は，FSW継手における代表的な不完全部をとり上げ，そこでのPAUT方法の適用性を検討した結果である。 また，従来の非破壊試験方法との比較や不完全部の探傷された継手の機械的性質を調査しその影響を明らかにした結果等も示す。