3.0％62,200円，0.3％HPP69,340円原油反発と増税でHSは5,100円上げ

摘要

JX日鉱日石エネルギー系列の特約店や大口需要家に10月26日（金），10～12月分のC重油仕切基準価格，当面の要求価格が伝えられた。支払サイト60日向け，湾内平水船持ち届けベースで表示された新仕切基準価格はS分3.0％が62,200円／kl，0.3％HPPが69,340円／kl。1.6～3.0％のHS部分は前期決定価格に対し5,100円（8.9％）の値上げ，仕切基準との比較になる0.3％HPPは3,570円（5.4％）の値上げと，いずれも反発する。値上げの背景は原油の急反発にある。HSは原油とボンドバンカーによる値上げ幅が5,000円を超える。LSは原油の値上げ幅だけで3，800円近くになる。また，10月1日から増額された石油税も即日転嫁されたが，その影響は250円。一方，為替相場は円高·コスト安が想定された。しかし，決定との比較になるHSでも値下げ効果は200円にとどまる。ほとhど石油税増税分に吸収される。今回の注目は，仕切基準策定後に原油と為替の相場が急変した点にある。原油は急に軟化し仕切基準よりコスト安方向へ，為替は逆に円安·コスト高方向へ動き出した。この流れがコスト対象期間の11月末まで続くという保証はない。また，途中から逆方向へ急旋回するケースも皆無とはいえない。このように，通告時点から狂い始めたコストが仕切基準から更に遠ざかるのか，再び舞い戻ってくるのか，今後の動向から目が離せない。なお，中央価格交渉が全く動いていないように感じられるLSは，年度末に1年分が一括合意した9年度の再来を覚悟する必要があるかもしれない。そのため，決定価格が仕切基準から大幅に乖離するリスクを回避するためには，仕切基準は仮価格として対応するのが望ましいと考えられる。