第11回バイオハザード対策用クラスIIキャビネット現場設置検査技術研修修了者について

摘要

病原微生物の取り扱いと共に、遺伝子組替え技術は、バイオテクノロジーの中核をなす技術として、重要な位置付けを占めている。 生命科学実験に従事する作業者の安全確保とバイオテクノロジーにかかわる研究促進を図る観点から、経済産業省ほ、1994年にクラスIIキャビネットの工業標準JIS K3800を制定し、2000年に改定し名称をバイオハザード対策用クラスIIキャビネットとした。 クラスIIキャビネットは、安全機器であり、工場出荷時の性能が完全であっても、使用する現場に設置された時、及びそれ以後持続的に性能が維持されなければ、作業場の安全性は確保できない。 クラスIIキャビネットは、密閉度、HEPAフィルタ、気流バランスが最初に設定した能力を維持していることが要求される。 このためには、正しい計器を使い、正しい検査を行って初めてその性能を知ることができる。ところが、クラスIIキャビネットの現場検査の重要性とそこに要求される技術は、製造側、利用者側に十分伝わっているとはいえない状態にあり、現場検査を行っても、クラスIIキャビネットの性能を確実に保証できる状態にないのが実情である。 このような現状から、クラスIIキャビネットの現場設置検査を所定のルールに従って、間違いなく実施できる検査員の養成が急務となっている。