光電子融合型パケットルータを用いたデータセンターネットワークの設計

摘要

データセンターネットワークへの要求として、高通信性能に加えて省電力化が求められている。低消費電力で高通信性能なネットワークを実現するため、我々は、光スイッチング技術と電気バッファを利用した光電子融合型パケットルータの開発を進めている。本稿では、光電子融合型パケットルータを用いたデータセンターネットワークに適したネットワーク構造について議論を行う。本稿では、光電子融合型パケットルータが提供する広帯域·低遅延の通信特性を利用するため、光電子融合型パケットルータはデータセンター内のコアネットワークに配置し、複数台のサーバラックからのトラヒックを各光電子融合型パケットルータで集約する形態を考える。また、本構造において、各光電子融合型パケットルータの故障によりデータセンターネットワークから切り離されるサーバラックの存在を避けるため、各サーバラックも複数台の光電子融合型パケットルータに接続する。この条件において、各サーバーラックからの複数のリンクを利用しつつ、光電子融合型パケットルータにおけるパケット衝突を避けるルーティングを考慮したネットワーク構造構築方法を提案する。シミュレーション評価により、提案されたネットワーク構造が従来型のデータセンターネットワークトポロジと比べ、より多くのサーバー間通信を低遅延で収容できることを明らかにする。