多周波ステップCPCミリ波レーダにおける最尤推定法を用いた到来方向推定

摘要

レーダにおける到来方向推定法としてモノパルス測角処理がよく知られている．モノパルス測角処理は車載レーダにおいても多く用いられているが，遠方目標からの微小反射波を検知する必要がある一方で近距離側方のガードレールや建造物，並走車両などの広角強反射波を誤測角し，システム的誤作動を招く危険性がある．多周波ステップCPCミリ波レーダでは，速度検出しその信号から距離検出を行う．距離検出結果から最後に角度検出を行う処理構成であり，誤作動は確率的に起こりにくい変調方式である．しかし，本稿では多周波ステップCPCミリ波レーダにおける角度誤検知の低減を目的として，モノパルス測角処理に加え，最尤推定法を測角処理として組み込むことを提案し，実験的にその有効性を明らかにする．