建物の設計における道路交通騒音への取り組み

摘要

道路交通騒音は，都市にある他の騒音源のなかでも発生頻度，影響地域，定常性など影響が大きく，鉄道騒音，工場騒音，事業所騒音，学校騒音，建設工事騒音，航空機騒音，船舶騒音，街路騒音などと合成されながら騒音環境を形成している。 これらの騒音源は環境基準が定まっているものと，そうでないものがあり，道路騒音の最大の問題点は交通量や道路の変化などによる与条件の変化が多いということである。騒音対策を建物で行う場合，一般的にその住戸において最も影響が大きいと思われる部分を対象として外部騒音を設定し遮音性能が検討される場合が多いが，建物の横，裏側などは設定が微妙である。 騒音に対する対策は，敷地外周部や建物自体の形態や部材構成などでとられるが，どの場所で行われようと，計画自体やコストに関係するし，適正な遮音設計と施工がなされなければ，目標とした遮音性能は得られない。また外壁，窓，換気孔などの遮音のバランスも重要である。これらの遮音対策をどこで用いるかによって，経済的な負担先が変わってくることもあって，音源の遮音対策は重要な社会問題である。