稚内層珪質頁岩を用いたデシカント空調機の開発－第6報：除湿空調を行うシステム要件の検討

摘要

本研究は，ヒートポンプとその排熱を利用したデシカント換気空調を統合した家庭用小型複合システムの開発に関する論文の第6報である．既報までの研究は，ヒートポンプの低温排熱をローターの再生に利用し，夏場の関東以南を想定した外気（30°C，75％RH，20.2g/kg_(DA)）と一般的な室内温熱環境を想定した室内空気（26°C，60％RH，12.6g/kg_(DA)）の条件における外気潜熱負荷（絶対湿度差Ax_(OA-RA)=7.6g／kg_(DA)）の除去を目標に開発を行ってきた．直径400mm ￠のローターを2枚組み込hだデシカント試験装置の性能評価を行った結果，予冷に2枚の熱交換器を使用し，再生に1枚の熱交換器を使用した条件では目標の除湿量である7.6g／kg_(DA) には達しなかった．そこで本報では，2枚のローター直径を500 mm￠とし，さらに再生·予冷用熱交換器も各々のローター前に設置した新しい装置を構築し，装置内においては非結露の条件で，当初の目標除湿量以上を確保できるローター回転数，予冷と再生の熱交換器への投入温度と熱量の運転条件を実験的に明らかにした．