酸素燃焼技術を用いた二酸化炭素回収貯留（CCS）と経済性改善に向けて

摘要

今年の夏もとても暑く、集中豪雨などの異常気象も多かったように思われ、これも温暖化が原因ではないかと日常会話にも出てくるようになった。IPCC（気候変動に関する政府間パネル）の報告によれば、20世紀後半からの地球温暖化に関しては、人間の産業活動等に伴って排出された人為的な温室効果ガス、その中でも特にCO_2が主因と考えられている。一方、大気中のCO_2濃度は、過去1万年の変化を見た場合、産業革命以前は280ppm程度で緩やかな上昇であったものが、近年は急激に上昇し、昨年5月にはハワイのマウナロア観測所で平均濃度が初めて400ppmを超え、今年に入ると我が国周辺の海上や上空で400ppmを超えるCO_2濃度を観測している。このCO_2による気温の上昇を2°C程度に抑えることを目的に、CO_2の排出を2050年までに現状から半減するためのシナリオがIEAなどから提案されている。これによると、2050年までに2倍近くに増加する世界のCO_2排出量を1／4程度にまで減らす手段の1つに、CCSが挙げられており、CCS導入なしでの石炭利用の拡大は、気候変動抑制目標と朝いれないとしている。