こうすればうまくいく海外モノづくりの品質保証：事例1－ローヵル電子部品調達における品質保証－中国編

摘要

機器メーカーでは，使用する多種類の電子部品の調達先を海外に求めることが多くなっている。 低価格であることがその大きな理由だが，新商品を発売する度に機能対価格比を上げ続けなければならない機器メーカーでは，設計の工夫や製造の合理化で追いつかないコストの削減部分を部品材料の低価格化に頼らざるをえない。 中国には各種部品の工場が集中し，低価格の部品を世堺に供給し続けている。 しかし，中国製電子部品は繊維製品などとは違い，その品質はいまだ日本や欧米レベルには達しておらず，品質問題によるロスコストは調達量の増加に伴って増え続けている。 外観·機能の同等なものが日本製の半額以下の価格で販売されていることも珍しくない中国製電子部品は，価格戦略上不可欠であり，その品質問題をいかに回避するか，が機器メーカーの眉焦の課題となっている。 調達や品質保証というと，設計部門には関わりがないと思われがちだが，新部品の採用·承認の中心的役割を担っているのは設計者であり，その分野での責任は決して小さくない。 本稿では中国ローカル電子部品の調達における品質保証のポイントを時系列に従って述べてみたい。