薄肉銅管の繰返し内圧疲労特性

摘要

平滑管の直管およびヘアピン曲げ加工管について、基礎的な繰返し内圧疲労特性とその他の影響因子について調べた結果を以下に要約する.1）繰返し内圧疲労試験用評価装置により薄肉平滑直管（外径7.0mmX肉厚0.26mm）を試験した結果、0-4.9MPa程度の繰返し内圧で、1.0X10~7回を超えてリークしないことを確認した。 2）ヘアピントップ部における疲労強度の低下には、張出し変形による断面形状の影響か支配的であることが判った.また、ヘアピン曲げ加工に伴って発生する初期ひずみの分布およびヤング率の大きさはほとhど影響しないことが判った。 3）ヘアピン曲げ加工管の張出し変形が大きい場合、局部応力が管周方向の耐力値を超えることにより、低サイクル疲労破壊を生じると推定された．4）ヘアピントップ部における断面形状の張出し程度を張出し長さおよび張出し幅の比（a/b）で表すことにより、薄肉平滑直管における繰返し内圧疲労試験（最高圧力4.9MPa）の結果を整理できた.これによりヘアピントップ部において少なくともa/bが0.15未満であれば4.0X10~5回を満足すると考えられた．