耐摩耗性特殊高力黄銅の切削性

摘要

本実験では耐摩耗性高力黄銅の旋削加工を行い、その切削後について評価を行い、また、先に報告した材料と比較することにより、以下のことが知られた。 1）工具逃げ面摩耗幅は、切削距離の増加に伴って増加しているが、摩耗した逃げ面、すくい面の観察によれば、金属間化合物粒子が擦過して摩耗を進行させた形態がみられた。 2）cBN工具を用いて、異なる切削条件で行った場合、大きな差がみられなかったことから、生産性の観点から切削速度の大きい方が有利である。 3）耐摩耗性は、硬度の低いA財の方が硬度の高いB材より優れていた。 これは、A材に生成した各種の高硬度の金属間化合物によって耐摩耗性が向上したためと考えられる。