水平面音像定位実験中の頭部運動

摘要

本報告では、帯域通過雑音を用いた水平面音像定位実験中の被験者の頭部の動きを計測した。被験者は4名で、全ての被験者それぞれに1440回刺激音を呈示した。被験者には3秒間の刺激音呈示中は頭部を保持するように教示した。しかし、3秒間の刺激音間隔に被験者は知覚した音像位置を解答用紙に記入するために頭部を動かした。その結果、刺激音呈示ごとの平均頭部位置（x、y、Z）の変化は±3.5cm以下であった。平均頭部角度（roll、pitch、yaw）の変化は±12°以下であった。しかし、水平面音像定位実験に最も重要な頭部のyaw回転角の平均は1.1°以下であった。一方、刺激音呈示中の頭部位置の最大変位は1.5cm以下、頭部角度の最大変位は3°以下であった。頭由のyaw回転角は1.4°以下であった。これらの結果、全ての被験者は教示を守り、刺激音呈示中は頭部をしっかり保持していた。さらに、全ての被験者は、次の刺激音が呈示されるときには、頭部を元の位置に戻していた。