ゆ品黒松界、最高峰の素材作り

摘要

今回紹介するのは黒松の小品盆栽の素廟作りである。日本における小品黒松の素材作りでは最高のレベルであり、今日に至る黒松盆栽の技術史百年の総決算の一つといっても過言ではない。もちろhこれで完成という意味ではなく、職人芸として、また新たな趣味家に伝える伝統技術の一つの到達点という意味である。　作品はシンプルで、一見古式ゆかしく、能舞台の鏡面の松の絵のようにかしこまっている。重厚だが、視線が一つでなく複数の目で見られているように泰然としている。見ていると安心感があり、どこかで見たような感覚が生じる。しかし、見つめているうちに自然のどこにもない凝縮した総合的な心象風景なのだという気分になってくる。