『大日本窯業協会雑誌に見る耐火物の歴史』XXVII回転炉製鉄，小型高炉，塩基性転炉

摘要

昭和10年代に新しく始まった回転炉製鉄，小型高炉，トーマス転炉について概要を説明しました。 この3つの鉄鋼用炉は戦時中に実用化されたものですが，トーマス転炉だけが戦後再開されています。 しかし，現在ではほとhど忘れ去られた状態になっています。 回転炉製鉄は戦時中にセメント生産が規制され，余ったロータリーキルンを利用することでの製造であった。 戦後セメント業界が日本復興のためにセメントの増産することになり，まったく行われなくなりました。 小型高炉も日本の高炉の復興と共に無くなりました。 トーマス転炉は戦後，一時休転していましたが，昭和24年より再開されています。 これは意外にもあまり知られていなく，耐火物詰の中でも日本ではLD転炉で初めて塩基性転炉が導入されたと堂々と書かれているくらいです。今泉嘉一郎の努力で日本鋼管のみで実施されたため，知られていないのかも知れませh。 ただ，この時の技術の蓄積によりLD転炉導入時にドロマイト耐火物で八幡製鉄所が苦労されたのに対して，日本鋼管ではスムースに立ち上げたと云われています。