循環型社会形成のための我が国の法制度

摘要

これまでの大量生産，大量消費，大量廃棄型の活動様式は経済を安定成長させ大きな恩恵をもたらしたが，その一方で膨大な量の廃棄物を排出し，最終処分場の逼迫や不適正処理に伴う環境への影響を生じさせるとともに，鉱物資源の将来的な枯渇も懸念されるようになった。さらに，近年急速に普及が進hでいる携帯電話，パソコン，デジカメなどに代表されるデジタル機器は技術の進展が著しく速いため，商品寿命が短く，また非鉄金属，貴金属，レアメタルを多用しているためこのような状況をいっそう加速している。将来にわたり環境と経済が両立した持続可能な発展を実現するためには，廃棄物の発生抑制と適正な循環を行う循環型社会の形成が急務となっている。このような状況を背景に，1990年代より循環型社会構築に向けて，廃棄物?リサイクル関連の法整備が進められた。