地質調査および層序学的·堆積学的研究におはるテフラ鍵層の積極的活用のすすめその2：房総半島北部の上総層群上部～下総層群での解析例

摘要

地層中，特に日本の新第三紀，第四紀層中には，火山からの噴出物（テフラ，火砕堆積物，火山灰，凝灰岩などと呼ばれている）が多数挟まれていることが多い．こうした火山噴出物をできるだけ多く鍵層として設定し，活用した詳細な地質調査の成果は，その地域の地下の実態，すなわち，地下の地質構造や地層の分布状況を表現する詳細で正確な地質図として結実する．その一方で，多くの凝灰岩鍵層の設定·活用は，層序学的·堆積学的研究にも大きな影響·効果をもたらす．そこで，こうした火山噴出物を鍵層として活用することによって得られた具体的な地質調査や層序学的·堆積学的研究の成果を，著者が携わってきたいくつかの例で紹介する．