韓半島南部縦断地質巡検記

摘要

2002年9月14日（土）～9月16日（月）にかけて，日本地質学会第109年総会·年会が新潟大学を中心に開催されたのを機会に，その前の9月9日（月）から9月13日（金）にかけて，今回の学会唯一の海外地質巡検である日本地質学会見学旅行第1班韓国コース「韓半島中·南部の地質」が実施された。 くしくもサッカーのワールドカップが日韓で共同開催された年に行われたこともあり，地質分野での記念すべき共同事業であったといえるかもしれない。 本見学旅行（以下では地質巡検と表現する）の企画·準備，そして案内をされた地質巡検指導者は，新潟大学の立石雅昭教授（Prof. TATEISHI Masaaki），チエンナム（忠南）大学のイ·ヒョング（李　 鉱具）教授（Prof. LEE Hyun－Koo），韓国地質資源研究院（KIGAM）のソン·ピョングク（孫柄固）博士（Dr. SON Byeong－Kook），同コ·ヒジェ（高 書在）博士（Dr. KOH Hee-Jae），同ソン·ジンダム（孫 晋潭）博士（Dr. SON Jin－Dam），プサン（釜山）大学のユン·スン（尹 銑）教授（Prof. YOON Sun）の方々であった。 本地質巡検は，あとで述べるように，韓半島の地質構造を胴切りする形で，韓半島の中·南部（特に南部）に分布する古生代～新第三紀のある意味で最も代表的な地層（一部時代未詳の弱変成岩を含む）を見学コースに含hでおり，私を含めて，韓半島の地質に初めて触れるものにとっては，大変よい入門コースであったといえる。 そこで，韓国の地質に不慣れな人が韓国の地質の概要を理解し，関心を深めていただく上での一助になればと思い，本巡検の報告をまとめることにした。