産総研地質調査総合センターの緊急調査への対応

摘要

平成16年10月23日17時56分，新潟県中越地方を震源とするM6.8の強い地震が発生した。 この地震により，新潟県川口町で震度7を記録し，信越地方を中心に各地で強い揺れを感じた。 また，その後も18時12分，34分にM6クラスの余震が発生し，新潟県小千谷市，十日町市で震度6強を観測した。 後に新潟県中越地震と名づけられるこの地震は，震度6強以上が立て続けに3度も起こり，中越地方を中心に各地に大きな被害をもたらした。 こうした大規模災害時は，いかに速やかに緊急の対応体制を整え，初動の調査を効率的に行い，必要な情報を社会に発信するかが，地質·災害に関わる調査·研究機関として大きく問われるところである。 産業技術総合研究所（産総研）地質調査総合センターでは，旧工業技術院地質調査所時代から，大規模な地震や火山噴火といった地質災害発生時には，必要に応じ，緊急の調査研究体制をしいて対応してきた。今回の中越地震は，産総研発足後，最大の地震災害であり，新たに緊急調査本部を設置した最初の例となったため，地震発生から，緊急体制解除までの状況を報告する。