2001年の鉄鋼需給国内需要が減退

摘要

2001年の日本経済をみると、2000年後半からの米国経済の急減速等により輸出が減少に転じたこと等を背景に後退局面に陥っていたが、9月の米国同時多発テロ事件の発生以降、一段と厳しさを増した。 また不良債権等の構造問題を抱え、デフレ圧力が強まる中で、投資や消費のマインドは急速に冷え込hだ。 個人消費は雇用調整の動きが強まり、所得が減少に転じたことなどもあり低迷した。 民間設備投資はソフトウェア投資が底堅く推移したが、生産の減少、収益の悪化により企業の投資抑制姿勢が強まり、減速傾向を示し始めた。 住宅投資も景気の悪化に伴い持ち家着工の落ち込み等から減少し、また公共投資は公共事業予算の減額により減少が続いた。 一方、輸出は米国経済の減速を契機とした世界的なIT（情報通信技術）需要の急減等により落ち込hだ。 また輸入は日本企業が生産拠点の海外移転を進める中で、輸入品の浸透度の高まりが定着してきたが、内需の減退を反映して減少に転じた。 その結果、輸入減を上回る輸出の落ち込みにより外需はマイナスに寄与した。