めがね装用時のレンズひずみについて

摘要

本研究では，めがね装用時のフレームがレンズひずみ（収差）に与える力学的影響について，実験及び有限要素（FEM）解析を用いて検討した．実験では度数の異なる4種類のレンズ形状が，同一のめがねフレームに装着された場合について，めがね装用時の先セルの開き量を与えたときのめがねの変位分布を測定した．次に，使用しためがねのCADモデルを構築してFEM解析をおこない，解析結果が前述の実験結果と類似するようにCADモデルを改善して，最適なFEM解析モデルを構築した．その後，このモデルを用いてめがねの力学的挙動について詳細に調べた．さらに，装用時のめがねレンズのひずみが小さくなるめがねフレームの形状についても考察した．その結果，度数が異なるレンズ形状には，それに適するフレームを選択することが，眼の矯正にとっては有用であることを示した．