宇宙航空研究開発機構1.27m極超音速風洞について－将来の極超音速運輸技術を支える大型試験設備

摘要

極超音速領域を飛行する機体の開発は，どのような形態にしろ，どこの国にしろ，大きくその国策に依存すること、となるため，大型の極超音速風洞設備は国あるいは地域単位で草原される傾向がある．実際，米国では空軍AEDCのVKF（Φ1.27m）とTune 19（Φ1.52m），NASA LaRC 31"（Φ0.79m），欧州におけるフランスONERA S4MA（Φ1m），ロシアではTsAGI T-116，T117（Φ1m），中国ではCARDC 1mHWT（Φ1m）などが相当する（括弧内はノズル出口径を示す）．わが国においてはJAXA 1.27m HWT（Φ1.27m）（図1）が実用機·実験機等の設計に必要な極超音速空力特性の取得を主に行っている．