いま望まれる漢方医療の地産地消(地産地生)漢薬の良否にも心を用ゆべし

摘要

現代医療は西洋医学を中心に確立されているが，近年，東洋医学(漢方医学)が見直され，漢方医 療が医療現場で自立し始めている.今なぜ漢方医療なのであろうカゝ.その理由として，単科的でな く総合的診療，集団的画一的治療でなく個別的治療，抵抗力が不足している患者(漢方では虚証と して評価）に対して温め補う治療などが必要とされていることが考えられる.漢方医療においてその治療成果は，医師，薬剤師の技量によるところが大きいが，処方の原料と なる生薬の真偽，品質も重要な要素の1つである.西洋薬との大きな違いは天産物であるというこ とであり，その品質の均一性，安定供給は重要な課題である.漢方医療は日本の英知である.