腎機能低下を伴う閉経後女性を対象とした骨粗鬆症治療薬ァレンドロン酸ナトリウム水和物静脈内投与製剤（GTH42V)の薬物動態試験

摘要

骨粗鬆症は，骨量の減少と骨質の劣化により骨強度 が悪化して骨折のリスクが増加する骨疾患であり，骨粗鬆症による骨折は，患者のQOLを著しく低下させ る.本邦における骨粗鬆症患者の数は1,280万人と推 定されており，今後高齢化社会の進展とともに更なる 増加が予想され，その対策が社会的にも重要となって きている.アレンドロン酸ナトリゥム水和物（以下，「アレンド 口ネート」とする）は，ビスホスホネート系化合物で あり，骨吸収の抑制により骨量を増加させて骨強度を 高め，骨粗鬆症患者における骨折リスクを減少させる 薬物である.アレンドロネ一トの経口剤は，骨粗鬆症 治療における第一選択薬として国内外で使用されてい るが,他のビスホスホネート製剤と同様に上部消化管 障害の副作用が知られており，食道狭窄，ァカラシァ 等の食道通過を遅延させる障害を有する患者や服薬後 30分以上上体を起こしていることや立位を保つこと のできない骨粗鬆症患者に対しては，投与禁忌となつ ている.また，服薬方法の煩雑さや上部消化管障害の 副作用発現により，治療薬に対する服薬コンプライア ンスは必ずしも良好とは言えないという問題もある.