畑地帯総合整備事業矢部地区における高盛土工法の検討

摘要

本報では，静岡市東部の茶.ミカンを栽培する山間地にて， 急傾斜樹園地を平坦化し，高生産性農地とするため，砂防指定地内に30mを超える高盛土工法を採用した事例を紹介する。 大学教授2名を委員に迎え，砂防指定地.設備管理者立会いの もと技術検討委員会を開催し，工法，設計基準，施工方法，品 質管理，動態観測など多角的な検討を実施した結果，締固め度 を高めることにより，構造物による補強を低減するなど，経済 的で高強度の盛土構造が実現した。盛土の安定言t# (円弧すベ り）では，砂防協議上の必要から複数ケースにおける安全性を 確認した。施工時は，転圧回数を変化させた試験施工により， 適切な転圧回数を選定するなどきめ細かな配慮により盛土の安定ィ匕を図った。