手指の動作計測

摘要

リハビリテーションやスポーツ工学の分野では，身体的負担の推定やトレーニング効果の評価など様々な場面で，ヒトの動作を定量的に評価することが求められている.また，工業分野やエンターテインメント分野においても，ジェスチャーによる直感的な操作や作業者とロボットの協調などのために動作計測が不可欠である.近年，カメラの高解像度化やセンサの小型化，コンピュータの処理能力の向上により，実験室環境での計測技術が向上するとともに，市販のUSBカメラを用いた動作計測なども可能になり，手術室内での機器操作など様々な現場で利用されている.本報では動作情報として，身体各部の位置情報と身体に作用する力情報を考える.例えば，歩行時の動作情報について考えると，膝関節の角度変化やつま先の軌跡などが位置情報であり，足裏の圧力分布や重心移動などは力情報である.これらの計測データを組み合わせて，歩行時の転倒リスクや運動能力，リハビリテーションの効果などが評価される.