三菱におけるブレーキシステムの技術

摘要

三菱鉄道車両用ブレーキ装置は，「安全·安定輸送の確保」，「小型軽量化」，「LCC（Life Cycle Cost）の低減」，「環境への適合」に配慮し，さまざまなニーズにこたえて数多くの鉄道事業者に採用されてきた．特に，最近は環境に配慮した鉄道車両への志向が強まっている．滑走発生の抑制，回生率向上による更なる省エネを達成するため，編成ブレーキ力制御が行なえる「ブレーキネットワーク」を開発した．また，電動空気圧縮機では，環境負荷軽減（排出ドレン·排出空気の油分削減，廃油処理不要）を目的とし，潤滑油を使用しないオイルフリー電動空気圧縮機が注目されている．三菱オイルフリー電動空気圧縮機装置も国内外で採用されている．我々は更なる環境負荷軽減に向け，実績品をベースに低騒音·低振動の「大容量オイルフリー電動空気圧縮機装置」を開発した．本稿では，環境に配慮した三菱鉄道車両用ブレーキ装置の技術と製品について紹介する．