鉄道総研における離線測定装置の開発

摘要

離線時に生じるアーク放電は，パンタグラフすり板やトロリ線の摩耗を増大させる要因となるため，アーク放電の発生状況を的確に測定する必要がある．離線測定にはいくつかの方法があるものの，そのうちアーク放電を検出する方法として，アーク放電発生時に生じる陽光柱からの強い光を検出する光学式離線測定がある．特に，陽光柱の強い光に含まれる紫外線を検出する測定方法を紫外線検出式離線測定，その測定装置を紫外線検出式離線測定装置と呼ぶ．最近，鉄道総研では紫外線検出式離線測定装置を開発した．本稿では，離線現象について発生メカニズムやその影響をなるべく平易に述べるとともに，離線時に発生するアーク放電を検出する方法ならびにその測定装置について，海外のものと日本のものを示し，さらに離線評価方法についても述べることで，離線測定の全体像を把握できるようにした．