地方が蘇る地域ブランド構築－「最も美しい村」運動の紹介

摘要

多様化する都会の消費者が本物を求める潮流の中で、都会と地域を結ぶ強い絆とも呼べる「地域ブランド」を「最も美しい村」運動の地域ブランド構築を例に考察するのが本論文の目的である。日経リサーチ社の地域ブランド戦略サ「ベイでは、観光地や名産品のブランドカランキングを毎年発表しているが、地域名産品のブランドカがブランドを既に確立している地域名を冠した商品ゆえか、差別化された地域資源の商品そのものの魅力度によるものか、評価は難しい。本報告では、「地域ブランドイメージを地域産の商品やサービス提供の付加価値として、地域資源を活かして持続的な地域経済の活性化を図る」を地域ブランドの定義と考えて整理したものである。NPO法人「日本で最も美しい村」連合は、町村自治体と都市サボータの理念共有型の当事者連携組織である。ブランドカの核となる美しい地域資源の強化を通して、地場素材に付加価値を付ける持続的加工産業や多様なツーリズム産業で年間を通した宿泊数を増やし、地場農畜水産物の地産·地消を拡大して、地域の所得を向上させ、新たな雇用を創出して、地域住民の減少に歯止めを掛けることが「地域ブランド」の意義と考えている。