工業用有機材料試験技術の高度化に関する研究

摘要

これらの背景を踏まえ，本研究では工業用有機材料に対するエネルギー的要因と環境的要因の複合的効果の評価，および，工業用有機材料の非破壊·非接触的な評価法に対する研究開発を目指す．本報では本年度の研究成果を報告する．具体的には工業用有機材料としてポリカーボネート（PC）樹脂を使用し，機械応力および有機溶剤の影響を疲労試験法，破断面解析法，赤外分光／近赤外分光法，多変量解析法により評価した．PC樹脂は軽量で比較的強度が高いことから，歯車など繰り返し荷重を受ける部品に広く使用されている優れた材料であるが，有機溶剤等による破損（ソルベントクラック）を受けやすいという問題点を有している（図1.2）．