NdFeB異方性ボンド磁石マグファインの熱安定性の向上

摘要

現在、Nd系異方性ボンド磁石MAGFINEは、その高いエネルギー積のため、家電用、自動車用に展開され、モータの小型化ならびに省エネルギー化に貢献している。しかしながら、自動車用途で使用する場合、高温恒湿環境下ならびに高温環境下におけるフラックスの長期的な安定性が要求されるため、高い熱安定性が必要である。これまでのMAGFINE磁石の安定性、特にその指標となる角形比Hkは4kOe程度のため、120°C雰囲気下1000hr後での不可逆減磁率は10％程度であり問題があった。今回、磁石の熱安定性を向上させることを目的に、マグファイン磁粉の表面処理、さらに成形工程での新生面発生防止のための潤滑剤の検討を行った。