メスバウアー分光法および核共鳴散乱法を用いたCo_2MmSnホイスラー合金薄膜の磁性的界面効果およびサイズ効果の評価

摘要

X_2YZの組成をもつL2_1型ホイスラー合金は，伝導電子のスピンが100％分極したハーフメタルの候補物質として注目を浴びている．最近では，ホイスラー合金を用いた磁気トンネル接合において大きな磁気抵抗変化が観測されているが，その大きさはハーフメタルがもつ潜在能力を十分に反映した値には至っておらず，また室温付近にかけて大きく減少するなど，応用に向けての課題も数多く残っている．これらの問題を解決するためには，ミクロな観点からの合金規則度や界面構造の制御や磁気的性質の評価が不可欠であると考えられる．本講演では，薄膜成長を原子層レベルで制御しながら作製したCo_2MnSnホイスラー合金薄膜の磁気的界面効果やサイズ効果を，原子核をプローブとした局所的な磁性測定手段であるメスバクアー分光法や放射光核共鳴散乱法を用いて評価した結果を報告する．