ランソプラゾール(AG-1749) 15mgおよび30mgの非びらh性胃食道逆流症に対する臨床薬理試験 24時間食道内pHモニタリングによる多施設共同無作為化二重盲模試験

摘要

胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease ； GERD)は，食道内への酸逆流により食道粘膜にびらhまたは潰瘍性の粘膜傷害（mucosal break)が生じた病態と，食道粘膜に明らかな粘膜傷害はみられない力やけ等の酸逆流症状を有する病態とを包含した疾患概念である。前者は逆流性食道炎（reflux esophagitis ；逆流性食道炎）であり，後者は非びらh性胃食坦逆流症(non-erosive reflux disease ； NERD)である。従来，欧米に比べて日本ではGERD 患者は比較的少ないとされてきたが，食生活の欧米化（高蛋白·高脂肪食等）やHelicobacter pylori非感染患者の増加による酸分泌能の亢進，また人口の高齢化もあいまって日本でも増加傾向にある。とくに， 最近のGERD患者の内視鏡所見に関する2つの調査では，その半数以上は非びらh性胃食道逆流症と報告されている。