電磁石を用いた粒状体ダンパー減衰力の設置角依存性の低減

摘要

粒状体として鋼球などの磁性粒子を用い，ダンパー外周部を覆うように設置した電磁石によって磁場を印加すると，減衰力特性が変化して死点近傍での減衰力が急増することが明らかとなっている［9］。これは粒子が磁場勾配による磁気力を受けることや，磁気的相互作用力によって粒子同士が引き合うことによって生じるものと考えられる。このような磁場印加に対する粒子の挙動を利用することにより，磁場の印加方法によっては前述の減衰力が設置角に依存する問題を低減することができるものと期待される。そこで本研究では，粒状体として磁性粒子である鋼球を使用し，電磁石をダンパー端部の両側，あるいは片側に設置して磁場を印加し，減衰力の設置角依存性が低減できるかを実験的に明らかにする。