総論消化器癌の分子標的治療：現状と今後への期待

摘要

消化器癌の分子標的薬は，これまで大腸癌，胃癌,膝神経内分泌腫瘍，GSITで大きな進歩がみられてい る。分子標的薬の一般臨床への導入は疾患により大き な差があり，大腸癌では1次治療から最終ラインまで 分子標的薬が用いられている。また，大腸癌のRAS 遺伝子変異に応じた抗EGFR抗体薬の使用がすでに 確立し，一般臨床で効果予測に基づいた治療選択が普 及してきている。一方，脬、胆道癌や食道癌では十分 な開発が進hでいなし、。分子標的薬は腫瘍の増殖シグ ナル伝達の阻害と血管新生の阻害に大きく分類され， 両方の作用をもつマルチキナ-ゼ阻害薬も多く開発さ れている。現在，より選択制の高い分子標的薬の開発 や免疫チェックポィン卜に関する新規薬剤の開発が進 められており，今後，バイオマ一力一の発現に基づい た治療法の確立が望まれる。